(3) ガードマン費用
明寮の強制執行の際には、数百人のガードマン(新帝国警備保障)が長期間動員されました。その後も、渡り廊下・寮風呂・寮食堂などの破壊の際にも、何度も数百人のガードマンが動員され、暴力が繰り返されてきました。このガードマンは東大当局が税金を用いて、雇い入れているものです。一人のガードマンにつき一日数万円を支払っており、これまで寮問題に投入されたガードマン費用は数億円にのぼります。話し合いで、合意の上で進めなければならない学内問題を力に頼った代償の一つが、この膨大な税金の浪費なのです。
しかし東大当局はこの数億円の浪費が、正確にいくらなのか、どのような予算措置によってなされているのかを「公開する必要はない」として、明らかにしていません。証人尋問でそれを問われた永野学部長特別補佐は「知りたくもありません」と、自らそれが問題のある浪費だと認めながら、それを止めようとも明かそうともしませんでした。
学部当局は「学生の皆さんへ」で駒場寮を潰さないことが、国民との約束違反であるかのように述べていますが(「ペテン」と書かれています)、「廃寮」は当局の執行部と文部省との非公式な約束(公式には否定している)ではあっても、国民との約束などではありません(例えば現在、見直しが進められている公共事業について、一度始めてしまったらそれを修正することが国民へのペテンにあたるのでしょうか)。むしろ国家財政逼迫の折に、国民の血税を話し合いを回避して力で解決するために、学生に暴力をふるわせるために浪費する方が、よほどペテンなのです。
(4) 警察権力の導入の可能性
学部執行部の強硬派の中には、寮生・学生の反対が激しければ警察権力・機動隊を学内に導入し、学生を弾圧させればいいと考えている人間もいます。機動隊に刑事事件でもない学内問題の「解決」を委ねることは、大学が自らの自治権、大学の独立を事実上放棄することを意味します。今年二月には、(入試のミスが問題化している)山形大学の学寮の強制執行に機動隊が導入され、山形の世論の指弾を受けました。そして、三鷹特別委の小林委員長は「山形大学で勉強してきた」と発言しているのです。