駒場寮「明け渡し」裁判高裁判決不当性解説資料集

高裁判決って何だろう?ver.1.0

駒場寮委員会
2001年6月12日

第0章 はじめに

 現在、駒場寮自治会ほか45名は、国・東大当局によって駒場寮の「明け渡し」を求める民事裁判に訴えられています。寮生・学生に秘密裏に駒場寮の「廃寮」を決定・宣言した教養学部当局が、電気・ガス停止やガードマン導入による寮取り壊し工事の強行の末に、「合法的」かつ確実に寮生の追い出しを行うために1997年以降、法的措置による寮生の追い出しを行ってきているのです。1997年10月に提訴された駒場寮「明け渡し」本裁判は、2000年3月に東京地方裁判所から、国・東大当局側の請求を全面的に認める不当判決が下され、2001年5月31日には東京高等裁判所から地裁判決を支持する判決が下され、現時点においては学部当局によって駒場寮の「明け渡し」の強制執行が可能であるという状態になっています。これに対して、私たちは、強制執行停止および、最高裁判所への上告の申し立てを行っており、これが認められるかどうかは、今後の裁判官との話し合いにかかっています。
 本冊子では、これまでの法的措置の経緯を振り返り、今回下された高裁判決を分析・評価し、学部当局が行おうとしている、強制執行について述べます。巻末には高裁判全文も掲載しました。
 駒場寮を取り巻く法的措置の概略、そして、今回下された高裁判決を分析し、どのようなものであるのか明らかにすることを試みています。なお、地裁判決および、地裁での口頭弁論については駒場寮委員会の発行している『東京地裁駒場寮「明け渡し」本裁判一審判決の不当性解説集』地裁判決全文を掲載)に詳しく解説してあります。

参考資料(駒場寮委員会作成)

○駒場寮問題「法的措置」関連報告集
 1997年4月に実施された「駒場寮問題報告集会」のプログラムを「報告集」として発行すべく増刷したもの。「明け渡し」断行仮処分執行までの経緯と、学部当局の姿勢についての報告

駒場寮「廃寮」の不当性解説集
 1997年に発行した『駒場寮「廃寮」の不当性を暴く!』という学内ビラをもとにした資料集で、1999年、2000年に改訂した。駒場寮「廃寮」計画の始まりから、2000年度までの「廃寮」計画強行の時系列的な流れにそって寮委員会の見解をまとめたもの

東京地裁駒場寮「明け渡し」本裁判一審判決の不当性解説集[改訂版]
 1999年12月に行われた証人尋問、一審判決(全文を掲載)に関する分析・批判

○永野三郎証人尋問調書
 永野三郎学部長特別補佐(当時)の証人尋問調書

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