東京大学教授会構成員はその責任を全うせよ。


暴力ガードマン殴る蹴る

教職員200人、傍観しつつ談笑

学生20数名ケガ、4名病院へ



 6月28日(土)にキャンパスプラザ建設が始まったが、これは駒場寮北寮裏口及び渡り廊下に掛かるように設計されていた。学部側は、ずらして掛からない様にすると明言し続け、前日になって「可能性を模索したが無理だった」、まあよくやる手だ。学生は抗議の意味をこめて工事の阻止行動を行ったが、約300名のガードマンにより排除された。その際に1人をガードマン十名程度で押さえつけ殴る蹴るの暴行を加える様な事態が続出し、学生20数名が負傷、うち4人は救急車で病院に運ばれた。学部長室<大森弥教養学部長(政治学)・山中圭一評議員(英語)・浅野摂郎評議員(物理)・永野三郎学部長特別補佐(情報・図形)ほか総長補佐2人。うち文系からは、フーコー研究者(!)石田英敬(仏語)>に召集されて来た約二百名の教職員達は止めようともせず、無関心を装いつつ歓談。中にはにこやかに写ルンですで写真をとっている教授までいる有様。我々は「東京大学(その中に大学の構成員である学生も入るのかどうかは、学生次第だ)」の承認の下に行われたかかる暴力行為を決して許さない。
 ガードマンは朝から荒れていた。朝8時に現場監督・小林寛道三鷹特別委委員長<総合文化研究科教授・『100mを速く走るゼミ』開講中。ちなみに彼に指令を出す人間(=学部長室)は現場ではなく101号館にいる。自らは責任を取らずに、小林さんを矢面に立たせるわけだ>が工事開始を宣言。阻止しようとした寮生に対しガードマンはこれをひき離すのみならず「正当防衛だ」などと叫びつつ暴行を加えた。この中で1人は髪をつかまれて鉄の板の角に額をぶつけられ、横にまっすぐ切って救急車で運ばれた。
 学部は全く無関係な寮風呂にまで手を出した。これに怒った1人がそちらに向かったところ、突然約20名のガードマンが突撃して物影につれ込んだ。「見張りを立てろ!学生を入らせるな!見させるな!」と信じられないような言葉を吐いた後、彼を5人がかりで押さえつけて何回も何回も蹴った。実に約5分間彼が気を失って白目をむくまでリンチを続けたのである。そして他の学生や教官達がそちらに向かうとコロリと態度を変え、「大丈夫か!」と介護の振り。彼ももちろん病院に運ばれた。
 学生は更に、裏口のひさしや渡り廊下の屋根に座り込み、体を張って工事を止めようとした。ガードマンもこれを引きずり下ろそうとしたが失敗、ついには学生多数がのったままその柱を破壊。屋根の上にのっていた2人はグラグラと揺れたスキにガードマン達の袋叩きにあった。ガードマンは口々に「千葉に来い、千葉!」と叫んでいたと言う。教職員はもちろん止めようともしない。そして最終的には、学生4、5人が乗ったまま北側渡り廊下を破壊し、学生を3mの高さから屋根ごと叩き落とした。かくして渡り廊下は壊され、ひさしの上に十数名の学生が残った。午前11時、事態は膠着状態に陥った。
 午後2時40分。小林寛道はトラメガ(ハンドマイクのでかいやつ)で「総攻撃を開始します」と宣言、事態は急変した。北寮の窓という窓からガードマンが一斉に進入。正門側からはあの生井澤(遅く来て30分でも1時間でも授業を延長する物理教官)を先頭に十数名のガードマンが「死ね!」「死ねコラ!」と叫びながら突入。更にはユンボ(クレーンとキャタピラの付いた工事車両)でもって北寮裏口の扉を破壊し(!)、ここからも入ってきた。彼らは止めようとした寮生に見境もなく飛びかかった。電気を切られて真っ暗な中での乱闘で寮生一人が眼球を負傷、失明の恐れありということで今日、精密検査を受ける予定である。
 ひさしの上の寮生も寮内に進入したガードマンに引きずり込まれ、この時床に叩き付けられるなどして寮生が更に負傷した。そして遂にひさしと入口階段も破壊された。現在、北寮裏口にはフェンスが立つのみである。
 以上列記してきた明らかに警備業法に違反する暴力行為を、教官達は一貫して傍観、無言の承認を与え続けた。「勝手なマネすんじゃねえ!」などと怒鳴りつつ、テレビカメラが入るとにこやかに「君たち、やめた方がいいんじゃない?」とのたもうた教官達に問う。他ならぬ学問の府に於いてかかる暴力がまかり通って良いのか? もしそれが正しくないとするならば、昨日の行動を教育者としてどう説明するつもりなのか?




当日の挙に参加した教官名簿(改訂版)


船曳建夫(教授・『知の技法』『知の論理』『知のモラル』共編者・文化人類学)
豊島洋子(助教授・生物)
小林康夫(教授・『知の技法』『知の論理』『知のモラル』共編者・仏語)
川原貴(助教授・体育)
鍛冶哲郎(助教授・独語)
松浦寿輝(助教授・著書:『ウサギのダンス』『松浦寿輝詩集』『冬の本』『鳥の計画』(以上詩集)『折口信夫論』『エッフェル塔試論』・仏語)
石光泰夫(教授・独語)
松原隆一郎(助教授・著書:『格闘技としての同時代論争』・経済学)
川中子義勝(助教授・独語)
増田茂(教授・化学)
古田元夫(教授・元東京大学教養学部教職員組合委員長・歴史学)
兵藤俊夫(教授・物理)
川戸佳(教授・物理)
刈間文俊(教授・三鷹特別委委員・『火種ー中国知識人の良心の声ー』編訳者・中国語)
生井澤寛(教授・特別委員・物理)
池田信雄(教授・特別委員・ヴィム・ヴェンダース『ベルリン天使の歌』字幕共訳者・独語)
石田英敬(教授・仏語)
玉井哲雄(教授・情報図形)
高橋均(助教授・スペイン語)
小林寛道(教授・特別委員長・体育)
遠藤泰樹(助教授・化学)
佐々真一(助教授・物理)
小宮山進(教授・物理)
大澤吉博(教授・教務委員長・英語)
石井明(教授・国際関係論)
杉橋陽一(教授・独語)
下井守(教授・化学)
三角洋一(教授・国漢文学)
甚野尚志(助教授・歴史学)
松田良一(助教授・生物)
徳盛誠(助教授・元駒場寮委員長・学生委員・国漢文学)
村田純一(助教授・『知覚と生活世界』・学生委員・科史科哲)
山脇直司(助教授・学生委員・社会思想史)
松岡心平(助教授・国漢文学)
高田康成(教授・英語)
瀬川浩司(助教授・化学)
高野穆一郎(教授・学生委員・化学)
深代千之(助教授・体育)
染田清彦(助教授・化学)
小牧研一郎(教授・物理)
生越直樹(助教授・朝鮮語)

 読みにくくてごめんなさい。これはあくまで暫定版です。現場にいたけれどこの中に入っていない教官は、駒場寮委員会までご連絡下さい。名簿に書き加えさせて頂きます。当日何が行われたのかを、是非自分の近くにいる諸教職員に聞いてみて下さい。コミュニケーションをおそれる必要はありませんし、何より彼らには彼らの行為を説明する責任があります。当日その場にいなかった教官が免罪されるかと言えばそうではありません。彼らも教授会構成員の一員である以上、その場で行われたことに関しては責任を持ちます。その場に来なかったことによって責任逃れをしようというのなら、それはここに名前を挙げた教官以上に無責任な行為であることを指摘しておきます。当日何が起こったかについては、ビデオ・写真等で今後もお知らせしていく予定です。駒場寮周辺及び駒場寮「問題」周辺の事態に、今後ともご注目下さい。


駒場寮委員会
お問い合わせは03ー3467ー3009(代)まで

戻る