駒場寮問題の経緯と現状 用語解説

《脚注》

(注一)「条件」
 「三鷹国際学生宿舎」計画に対して課された「条件」を要約すると、以下の5つになる。それは
@1000人規模の宿舎にすること
A留学生を300人程度入れること
B居室の個室化及び食堂はつけない
C大学が建物の管理を行い、入退寮選考権を学生から奪う
D駒場寮・三鷹寮の廃寮
である。「リンク条項」の撤廃はこのDの撤廃を指している。その他Cは自治活動の基盤となる寮生同士の交流を建物の構造上困難にすることを狙うもの、またも寮生による自主管理という自治寮の理念を奪い去ることを目的としたものであり、これらは文部省が七五年に打ち出した自治寮潰しの基本方針「国立学校寄宿舎の維持管理について」に沿ったものである。「三鷹」計画と学部当局がそれにリンクさせた「駒場寮廃寮」はこうした自治寮潰しである文部省学寮政策の一環であることをはっきりと認識する必要がある。

(注二)三鷹国際学生宿舎特別委員会
 「三鷹宿舎」計画とリンクした駒場寮「廃寮」を進めるために1991年10月9日の臨時教授会で設置が決定。以後、寮自治会との交渉の窓口となり、「廃寮」強行に全力を傾けてきた学部当局の「廃寮」専門機関。小林寛道委員長(体育)以下、生井澤寛副委員長(物理)、池田信雄副委員長(ドイツ語)、刈間文俊(中国語)、玉井哲雄(情報処理)、小寺彰(国際法)、大貫隆(古典語)、吉岡大二郎(物理)の計8名。初代委員長の永野三郎(情報図形)は評議員となり、背後で「廃寮」強行を指揮してきた。現在永野は学部長特別補佐として駒場寮「廃寮」・キャンパス再編計画に携わる。(2000年3月現在)

(注三)武陵桃源会
 1991年10月の「三鷹国際学生宿舎」建設計画が急浮上した際に駒場寮生有志を中心に結成された団体で、三鷹計画に関し批判・提起などを寮内外で行ってきた。

(注四)「やだこら」(駒場寮廃寮に反対するヤングアダルツ)
  駒場寮OBを中心とする「廃寮」に反対する団体。会報『やだこら』を発行していたが、現在、拡大「やだこら」ともいうべき「駒場寮存続を支援する会」(略称「支援する会」・北寮9S)が精力的な活動を展開している。支援する会は会報『いろは』を発行。

(注五)「負担区分問題」
 学部全額負担であった駒場寮の水光熱費を「寮が負担せねば廃寮もあり得る」と通達してきた問題。これは政府文部省の「受益者負担主義」に基づくもの。東大当局は寮生に何の相談もすることなく政府文部省にあっさりと「負担区分」導入を約束してしまう。これに寮生は大反発。結局、寮側が水光熱費の半分を負担する代わりに寮施設の改善などを行うことで決着し、84年、合意書が取り交わされた。しかし早くもその7年後、この合意書の「確認事項」は破られ、「廃寮」が一方的に決定されるという事態となった。

(注六)「自力救済」
 当事者間で紛争が解決出来なかった場合、実力でそれを解決しようとすること。現行法で「仇討ち」が禁止されているように、紛争解決は裁判所に委ねなければならないとされている。電気・ガス供給停止は実力で寮生を叩き出すための行為であり「自力救済」にあたる。

(注七)全学投票批准の規定数
 「批准」が「批准しない」より多いだけでは批准とならない。批准が過半数に達し、かつ半数を越えた票数が無効票数を上回らねば批准と見做されない。

(注八)「占有移転禁止」
 仮処分明け渡し訴訟のための前段階となるもの。どこに誰が住んでいるのかを法的に確定させるもので、この執行が行われると、以後実際に住んでいる人が入れ替わったり新たに入居者が増えても、法的には執行時点で確定された人が住み続けているものとされ、明け渡し判決が出た場合には確定された人として、あるいはその人と一緒に出て行かねばならない。一度確定された占有権を他人に委譲することは出来ないということである。しかし、この仮処分だけによって強制排除されることはないし、占有が認定された場合は合法的に使用することが認められる。

(注九)寮問題一次資料集シリーズ
 現在、シリーズg@「マスメディアにみる駒場寮」、シリーズgA「寮委員会ビラ縮刷版《第138期以降》」、シリーズgB「九六年寮関連学部文書集」が既刊。続刊予定あり。

《駒場寮問題に関する参考文献》
 個別の文書としては膨大なものがあるが、現在、冊子化されており入手可能なものを挙げておく。

寮問題一次資料シリーズ
@『マスメディアにみる駒場寮』
A『寮委員会ビラ縮刷版(第138期以降)』
B『九六年寮関連学部文書集』
『駒場寮問題「法的措置」関連報告集』
『駒場寮の意義に関する我々の見解』
『駒場寮「廃寮」の不当性解説集』
 以上、いずれも発行は駒場寮委員会。駒場寮委員会(北寮11S・14S・14B)で入手できる。

 また、オリエンテーション委員会(学生会館211)が発行する『槌音』、学友会学生理事会(学生会館213)が発行する『学園』、学生自治会(学生会館208)が発行する『自治会便覧』には、92年以降駒場寮問題に関する経緯が掲載されている。それぞれ各団体で入手できる。
 大学当局側発行物としては、大学広報h黶Z七一『駒場キャンパス再開発と駒場学寮廃寮』がもっとも良くまとまっている。先述の『九六年寮関連学部文書集』に全文収録されている。