駒場VS三鷹!!


ぼくは三鷹宿舎居住経験を持つ、駒場寮生です。ここでは両方に部屋を持った身としてその比較を行わせていただきやす。

いち、建物

【こまば】
築六〇年以上。戦前の建築である。蔦が絡まり、廊下は暗い。柱が太く極めて贅沢なつくりである。
【みたか】
三鷹国際学生宿舎に入るとすぐ、へんてこな塔が建った空き地がある。敷地はかなり広く、建物はすべて三階建て。今風の建物だが、かなりこじんまりとしている。全部で現在六棟(と管理棟一棟)存在する。あまり外を出歩いている人を見かけない。

に、住

【こまば】
二四畳、二〜三人の相部屋、板敷き。トイレ、炊事場、電話は共用。机、棚、イス、畳ベッド配備。暖房は寮委員会が灯油ストーブを支給。シャワーはシャワー棟にて二四時間使用可能。
 天井が高く、容積は相当なものである。S部屋などはかなり日当たりもいい。窓の大きさは三鷹の一〇倍くらいで外は緑のジャングルである。春は桜が咲き乱れる。
【みたか】
個室、八畳、フローリング。いかにも一ルームマンションのこぎれいな個室といった感じ。最初から設置されている家具も白系統で統一されている。ウナギの寝床形式で窓はかなり小さい。ベッドと机が置かれているため、床に座ったりするスペースはない。このため座卓を使いたい者は、ベッドを立てて布団で寝ている。三鷹の部屋は勉強にこもるにはいいかもしれないが、人を呼んだり、交流したりするのには適していない。隣の住民に壁を叩かれてしまう。
 共用施設について少し。駒場は炊事場にコンロと全自動洗濯機が設置されており、自由に(もちろん無料で)使える。その他は目の前に生協及び食堂がある。その他、たまり場としてフロア部屋があり、コンパルーム、会議室、印刷室、なども使える。
 三鷹で極めて問題なのは食堂がないことである。共用スペースはあるにはあるが使いにくい。新しい寮には、食堂のようなたまり場は、学生運動の温床になるから作れないそうだ。本当にそうならば今頃日本では革命が起こりまくっているはずである。

さん、食

【こまば】
駒寮生は自炊派がそれなりにいて、他は生協食堂や、駒下、駒裏、渋谷、下北などで食事をしている。渋谷市場がかなり安い。コンロが炊事場にあるし、カセットコンロを持っている寮生も多い。普通の買い物は、文具は生協で、他は、渋谷、下北などで。無印もハンズも大きな書店もすぐである。
【みたか】
電磁調理器は全然使えないため、自炊する人間はカセットコンロを買ってやっているらしい。炊事面積は狭い。困るのはそばにまともな本屋がないこと。

よん、通学&立地条件

【こまば】
〇秒。距離〇メートル。これに関しては他のどんな住居も対抗できない。学生会館にもすぐで、サークル活動も容易。授業の合間にお昼寝とか、昼食を自炊とかもできる。友人が遊びに来るのも簡単で、サークルの人間がよく学生会館が閉まった後流れてくる。一〇人ぐらいはゆうに入る。こと、遊ぶ、ということに関しては最強の環境である。個人の住環境としても申し分ないが、それ以上の価値を持ちうる。寮外生とも寮、自主管理空間の価値を共有できるのだ。また、渋谷、下北にも近いため、人を呼びやすい。最寄り駅、駒場東大前徒歩三分。
【みたか】
一時間弱。自転車二〇分+電車二五分程度。距離一五キロ。最寄り駅、三鷹台、吉祥寺、三鷹。それぞれから三,四キロ。朝は井の頭線は混みまくる。友人を呼ぶことは近くの人間でない限りほぼ不可能。駅からバスに乗ってもらわねばならない。まさしくワンルームマンションである。学寮のもつ価値と意義を体現しているとは言い難い。学寮とは国家予算を使っているのだから住めればよいというものではないはずだ。

ご、金

【こまば】
経常費六五〇〇(五〇〇〇+一五〇〇)円。以上である。
【みたか】
八三〇〇円+水光熱費。定期代二六〇〇円+駐輪場代
 三鷹の方がなんだかんだいって金がかかる。特にラッシュ時の通学は無賃労働である。

ろく、自治

【こまば】
あり。
【みたか】
なし。
 というのでは、問題があるような気がする。が、真実はこれに近いはずだ。三鷹には管理人が存在し、すべての寮の機能の維持を職員がやってくれる。学生はやることがないのだ。せいぜい「交流会」なるものを開いてお茶を濁すのが関の山である。駒場はそれに比して、すべての業務(財政権含む)を寮委員会が行い、寮の意志は総代会が決定する。ここで自治概念について語るつもりはないが、必要なものであることは様々な意味で駒寮の生活で感じ取ることが出きる。三鷹に住んでいる人も一度は駒場に住んでみることをお勧めする。

まとめ

 総合的 に見れば、住居としては、三鷹は悪くはない(東京の住宅事情を考えれば)。しかし、遠い、というのが絶対的に大きな相違てある。そして大学に住むということは、駒下に住むということとも大きく違う(これは住んでみないとわからないのですが)。大学の中の、この巨大な空間に、それもこのような共同体の中に、住む機会はたぶん駒寮の他にはあなたの人生においてほとんど存在しないだろう。

 結局のところ、私は駒寮を選択した。それが両方の生活を体験した多くの人間の選択であったということを覚えておいてほしい。


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