声明
東大教養学部学生自治会委員長
駒場寮委員会委員長
一、本日、駒場寮の一棟である明寮の明け渡しを決めた仮処分決定に基づく強制執行が強行された。午前9時頃、突然、東京地裁の執行官が、多数の作業員とガードマンをひきつれ、トラック数十台を使って、駒場寮の一棟である明寮から寮生を強制的追い出しを強行した。キャンパスのすべての入り口は、封鎖され、100名近いガードマンが明寮をロープで囲いこむというものものしさである。土曜日という、学生のいない時をわざわざ選び、大量の教職員を動員して、マスコミと学生の入構を厳しく制限するなかで強行されたことは、当局がいかに後ろめたさをもち、世論を恐れているかを端的に示すものである。
私たち学生・寮生は、大学当局は強制的な寮生のおいだしの姿勢をあらため、大学自治の原則に則った駒場寮問題の解決のために、学生・寮生との誠意ある話し合いのテーブルにつくべきだ、とくりかえし要求してきた。昨日も、明寮の明け渡しの強制執行をせず、あくまで学問の府、理性の府である大学にふさわしく、話し合いによる解決をめざすことを要求したばかりである。その回答もないまま、通常の明け渡し執行で行われる事前の連絡も一切なしに、強制的においだすという、言語道断の暴挙をおこなった東大・教養学部当局に厳しく抗議するものである。
学生・寮生は、東大当局の無法に無法をかさねる強引な寮生を追い出しを許さず、ひろく世論の支持を訴えて、あくまで正々堂々とたたかう決意である。
一、明け渡しの強制執行の対象となった明寮には、大学・国側の仮処分申し立ての対象者(債務者)となっていない寮生も生活している。その寮生たちは、当然、その場で明け渡しに異議を申し立て、居住権を主張、立ち退きを拒否した。執行官もこの寮生の主張を無視できず、いくつかの部屋については、強制執行はできなかった。
今回の仮処分の申し立てをめぐっては、駒場寮の明け渡しを求める大学・国側の論拠が次々と崩壊し、北寮、中寮については、大学・国側が申し立てを取り下げざるをえなくなった。明寮について、明け渡し強制執行を行ったものの、すべての寮生を追い出すことはできなかったことは、重ねて当局のやり方の道理のなさを示すものである。
一、学生・寮生側の主張の正しさと大学・国側の道理のなさが鮮明となっているもとで、無法に無法を重ねた今回の暴挙は、広範な学生の怒りを広げるものである。私たちは、大学当局にたいし、一切の道理もかなぐりすて、寮生の強制追い出しをすすめる強硬姿勢をあらため、学生・寮生との話し合いのテーブルにただちにつくようつよく要求するものである。
一、駒場寮自治会と学生自治会を交渉主体として、本日夜に学部長団交を開くこと。学部長がどうしても出席不可能な場合は、永野三郎評議員が出席すること。
以上