仮処分調書


「1996年8-9月」 | 資料集成

駒場寮の存続を支援する会の機関誌「いろは」から、整形した上で転載しました。

【1頁】

平成8年(執ハ)第915〜934号

仮処分調書

執行着手日時     午前9時20分
             平成8年9月10日
執行終了日時     午後3時41分

執行の場所      東京都目黒区駒場 3-8-1
            東京大学教養学部内旧駒場寮

執行の目的物     別紙物件目録のとおり

執行に立ち会った者  債権者代理人 〔個人名〕
           立会人    〔個人名〕
           同      〔個人名〕
           同      〔個人名〕

執行の内容

1. 目的物の現況、占有状態等は別紙調査表のとおり。

2. 目的物にたいする、債務者らの占有を解いて執行官の保管とした。債務者 らに使用を許した。

3. 本調書に添付の公示書写しと同文書の公示書を目的物の各建物の西側出入 口廊下南西側壁面および東側出入口廊下北東側壁面に貼付した。

※〔個人名〕とある箇所は、オリジナルのテクストにおいては具体的な個人の氏名が記載されており、以下も同様。

【2頁】

4. 債務者に対し、仮処分物件の処分、仮処分の公示書の損壊等の行為をした 場合、法律上の制裁があることを下記の方法により告知した。

       記

     イ. 口頭
     ロ. 公示書に併記
    ○ハ. 公示書に併記かつ本調書を送付

5. 特記事項
 債務者らが立会わないので立会人を立会わせ、施錠のある部屋については、 技術者により解錠して立入執行した。

6. 当事者の表示等は別紙のとおり

【3頁】

<1> 当職らは、本件建物中(2)物件(いわゆる北寮と呼ばれる建物)に臨場 したが、同所の寮生は、当初、当職の来旨告知につき、「待ってもらいたい」 と述べるのみで、来旨告知に応じなかった。

<2> その後、下記「〔個人名1〕」らに対し、来旨告知中、同所に出会した 弁護士〔個人名〕(以下指示説明者という)の説明および現況からすると下記 のことが認められた。

 本件3棟の建物は駒場寮委員会(以下委員会という)が各サークルおよび入 寮希望者の入寮の可否を決している模様であり同委員会による管理占有が認め られる。

<3> 寮内に存した「寮生証」(〔個人名2〕宛)によると委員長は〔個人名3〕 となっていたが当職らが臨場時、委員長と呼ばれていたのは「〔個人名1〕」で あり、〔個人名1〕が現委員長の模様である。

<4> 当職は指示説明者に対し、各

【4頁】

建物の各部屋の占有状況調査につき立会方を求めたが、かえって同委員会は在 寮生らに対し「一切の協力、質問には答えないように」との場内アナウンスを なし、立会はしない態度を示めした。よって当職らは立会人を立ち会わせ施錠 部分については技術者により解錠して立入調査をなしたが、在寮者は一切質問 に応じなかった。なお、立会はしない態度を示めした委員会側は、当職らの立 入調査につき、いづれも氏名、債務者との関係などについては何ら陳述をしな い者が、明寮は1名、北寮は1名、中寮は 3名の者が立会った。

<5> 指示説明者は別紙当事者目録記載の各債務者につき、当職らが本件建物 を専用しているとの認定につき、特に異論は述べないと応答するに止まり、上 記の者以外にも専用者の存在もある旨述べた。

<6> 占有関係等調査の結果は別紙記載のとおりであり、各債務者らにおいて 本日のところおのおの専用中である。

【5頁】

本件は執行官〔個人名〕、同〔個人名〕の援助を受け、また執行補助者27名 (うちガードマン18名、解錠技術者3名を含む)をして執行の補助をさせて執 行した。

  当事者の表示等   別紙のとおり

  執行に立ち会った者等の署名押印
            債権者代理人 〔個人名〕 印
            立会証人   〔個人名〕 印
             〃     〔個人名〕 印
             〃     〔個人名〕 印

 平成8年9月10日
  東京地方裁判所
   執行官 〔個人名〕

【6頁】

占有関係等の調査表

物件番号

債務者物件の状況

調査の結果

占有範囲

占有者

1

2

3

別紙当事者目録
記載のとおり

寄宿舎

全部

下記のとおり

(参考事項)

 占有者
 債務者ら20名並びに第三者駒場寮委員会のほか、氏名不詳者ら数名(サーク ルを含む)
 なお、氏名不詳者ら数名については本日のところ委員会の占有補助者である か否かは不明である。

【7頁】

平成8年(執ハ)第915〜934号

公示書

 (事件番号) 平成8年(ヨ)第4302号
 (債権者)  国
 (債務者)  別紙のとおり

 標記の事件について、東京地方裁判所がした仮処分決定に基づき、次の通り 公示する。

  1. 債務者は、下記仮処分部権の占有を他人に移転し、または占有名義を変更 することを禁止されている。
  2. 執行官が、平成8年9月10日下記仮処分物件の債務者の占有を解いて、これ を保管中である。ただし、債務者に限り、使用を許した。

(注意)下記仮処分物件の処分、公示書の損壊等をした場合、刑罰に処 せられる。

 平成8年9月10日
  東京地方裁判所執行官 〔個人名〕

    (仮処分物件の表示)

  1. 東京都目黒区駒場3丁目8番1号
     東京大学教養学部内旧駒場寮
     鉄筋コンクリート造3階建(中寮)床面積3570平方メートル
  2. 同上
     鉄筋コンクリート造3階建(北寮)床面積3570平方メートル
  3. 同上
     鉄筋コンクリート造3階建(明寮)床面積1834平方メートル

【8頁】
【債権者20名の住所氏名:略】

【9〜13頁】
【寮の図面:略】

【14頁】

当事者目録

  債権者 国
      上記代表者 法務大臣   〔個人名〕
      上記法定代理人
  (〒100)東京都千代田区大手町一丁目3番3号大手町合同庁舎第3号館
      東京法務局訟務部
       部付検事        〔個人名〕
       部付検事        〔個人名〕
       上席訟務官       〔個人名〕
       法務事務官       〔個人名〕

  (〒153)東京都目黒区駒場三丁目8番1号
      東京大学教養学部
       主計課長        〔個人名〕
       管財課長        〔個人名〕
       管財課専門職員     〔個人名〕
       企画法規掛長      〔個人名〕
       厚生課長        〔個人名〕
       評議員         〔個人名〕
       総合文化研究科教授   〔個人名〕
       教養学部等事務部長   〔個人名〕
       教養学部等学生課長   〔個人名〕
       教養学部等学生課長補佐 〔個人名〕

【15頁】
【債権者20名の表示:略】

【16頁】

【債権者20名の表示の続き:略】

債権名義の表示

東京地方裁判所 平成8年(ヨ)第4302号

仮処分決定

【17頁】

物件目録

  1. 東京都目黒区駒場3丁目8番1号
     東京大学教養学部内旧駒場寮
     鉄筋コンクリート造3階建(中寮・別紙図面の斜線部分参照)
     床面積3570平方メートル
  2. 東京都目黒区駒場3丁目8番1号
     東京大学教養学部内旧駒場寮
     鉄筋コンクリート造3階建(北寮・別紙図面の斜線部分参照)
     床面積3570平方メートル
  3. 東京都目黒区駒場3丁目8番1号
     東京大学教養学部内旧駒場寮
     鉄筋コンクリート造3階建(明寮・別紙図面の斜線部分参照)
     床面積1874平方メートル

【18頁】
【東大駒場の地図:略】

【19頁】
【駒場寮の地図:略】

【20頁】

これは謄本である。

平成8年9月20日
 東京地方裁判所
  執行官 〔個人名〕


「1996年8-9月」 | 資料集成