昨年4月24日の衆議院文教委員会での駒場寮問題に関する部分の議事録。原文とは改行位置が違います(編者)。
「第百三十六回国会衆議院文教委員会議録第七号」平成八年四月二十四日
出席委員
委員長 柳沢 伯夫君
山原建二郎君
出席政府委員
文部省高等教育局長 雨宮 忠君
山原委員
もう一つの問題ですが、最近新聞等で発表されております、東大の駒場寮の問題でありますけれども、ここはもう御承知のように、大変学生がおりましても、安くてしかも自炊もできる、サークルもあれば自治会もあるということで、今日まで使用されてきたわけですが、今回、この駒場寮の廃寮、そのことが問題になりまして、いろいろないきさつがあるそうですが、端的に言いますと、現在、電気、ガスがとめられているわけでございます。
ここは学生にとって生活、勉学の場所でありますし、言うならば、これはもう学生の生活の一部ですわね。そこでガスがとめられ、電気がとめられということで、聞きますと、毛布をかぶってやっている、あるいは、夜になればろうそくを立ててやっているというような状態が報告をされておりまして、私も病院閉鎖とかいうようないろいろな経験をしていますけれども、そこまでやるところはちょっとないわけですね。まして、これは学問の府ですから、そこでこんなことが行われるというのは全く意外千万でありますし、この点は文部省としても、これは言うならば人道上許しておけない問題でありますから、これについての適切な措置をとってもらいたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
それからもう一つ、三鷹寮に移転するといいますか、改築をするといいますか、その問題と絡んで駒場寮の廃寮ということになったのではなかろうかというような話もあるわけですが、実際にこの三鷹寮への移転の条件として駒場寮廃寮ということがあったのかどうなのか。そういう指導をまさか文部省がしておるとは思いませんが、この辺について見解を伺っておきたいのです。
雨宮政府委員
三鷹寮との関係やいかにということでございますが、関係はございます。
これは、東京大学といたしまして、旧三鷹寮、それから現在あります駒場寮、いずれも、少なくとも駒場寮につきましては築後六十年以上もたっておりまして、居住環境も非常に悪化しておるわけでございます。そこで、駒場寮と三鷹寮とに対処いたしまして、新しく三鷹に留学生との混住方式によります新しい三鷹寮を建てまして、駒場寮の学生につきましても、希望者については新しい三鷹の留学生寮に入ってくださいという考え方でもって、東京大学として平成四年から既にその計画を進めてきているところでございまして、東京大学といたしまして、この三月末をもって駒場寮を廃寮するという決定をいたしたというように承知しておるところでございます。
山原委員
電気、ガスの問題は。
雨宮政府委員
この三月末をもって東京大学としては廃寮を決定いたしております。この方針につきましては、かねてから学生側に対しても何度も説明をしておるというように承知しておりますし、その方針に従って、今年度以降廃寮とするということのための措置を講じようということで、大学側が努力しておるというように聞いておるところでございます。
山原委員
時間がないものですから、大変不十分なことになりますけれども、今、関係があるとおっしゃったのですが、これは文部省が直接指導してやっておるのですか。あるいは、こういう問題については、当然その学生との話し合いあるいは自治会との話し合い、これはもう東大闘争のとき以来ずっと民主的な解決の方法は出ているわけですから、そういった問題について本当に話し合って解決をするという、まさに大学の府にふさわしい解決の方法を見出すべきではなかろうかと思いますが、この点、改めてお伺いしておきます。
柳沢委員長
雨宮局長、手短にお願いします。
山原君、大変恐縮ですが、時間が参っておりますので、よろしくお願いします。
雨宮政府委員
これにつきましては、かねてから東京大学として計画を立て、文部省としてもその計画について了承し、それについて、三鷹の留学生宿舎については必要な予算措置を講じてきた、こういうことでございます。
したがいまして、文部省がというお尋ねでございますが、東京大学の計画に従って文部省として必要な予算措置も講じてきた、こういうことでございます。
山原委員
大学ですから、だから大学が話し合いをして方針を変えれば、またその展望が見出せると思いますので、御努力をお願いして、私の質問を終わります。ありがとうございました。